平成の大スター選手が引退ベテランアスリートだからこそ語れる“カラダの維持”の難しさ


さて、ガデッム秘話が聞けたところで…、ここからは長きにわたって活躍された蝶野さんにベテランアスリートから見るカラダのケアについてお伺いしたいと思います。

どうぞ。

まずは唐突なんですけど、昨年イチロー選手の引退が話題になりましたが……。

あぁ、イチロー選手ですね! まずは一安心しているのではないでしょうか。

一安心ですか!?

まず、あれだけのスーパースターになると、やっぱり引き際が自分で決断できないと思うんですよね。

たしかにファンも周囲の「まだできる!」という期待やご本人の「続けたい」という気持ちもあるでしょうし。

そう、あと大きなケガがないとしても、カラダは相当酷使していると思いますし。

相当ストイックに体を鍛えていたみたいですからね。

まず、45歳であれだけの肉体をキープするのは並大抵のことじゃないし、本当にキツイと思います。

確かに最高の舞台で活躍するための肉体維持ですからね……。蝶野さんの新日退団も45歳を超えてからですもんね。

練習量プラス、あの歳になってくるとひとつひとつカラダが壊れていくんですよ。普通の練習をする前に、それをケアするための治療をおこなったり栄養を補ったり……、あとは休養ですね。

カラダを鍛えたり維持するだけでなく、壊さないためのケアですね?

そう。20-30代では練習量を5とするとケアが1ぐらいだったのが、年を重ねると3くらいになっちゃうんですよ。

カラダをいたわりながらの練習ですか。

俺の場合は、30代後半からケアの方がもの凄く必要になっちゃって……。でも、体調をそれまでと変わらないようにキープしなきゃならない。本当にしんどかったですね。

蝶野さんの場合は、大きなケガもありましたからね……。

そう、俺の場合は首に大きなケガ、頸椎ですね。とにかく1日でも早く治してリングに上がらないとポジションが無くなる。取られるという焦りもありましたね。

スポーツにケガは付き物だと思うのですが、大きなケガは選手生命に関わりますからね。

えぇ、首だけでなくヒザやヒジもやっちゃって、その調整をしながらですからね。さらに神経系の方を傷付けたときは鍼の治療もしてましたね。もう、巡業に出てる時間と治療にかけてる時間が変わりませんでしたね。

体力のピークを越えてもある程度維持しながら技術を磨く。さらにケガとの闘い。想像を絶しますね……。

そうですね。特にイチロー選手の場合は、皆さんがご存じの通り頂点に立った方ですからね。

求められるものも大きかったのでは?

ですね。どうしても大リーグだとフル出場で結果を出さないと。という求められ方がされていたのではないでしょうか。

結果を残してナンボですからね……。

本当なら出場機会を減らし、メンテナンスをしながらというのが理想なんでしょうけど。しかし、常にどういう状況で呼ばれても出場して結果を出せる状態をキープしなきゃいけない。それ自体がキツイと思うんですよ。

その状態でもモチベーションを維持していたのは……?

ご本人には50歳までやると言われていましたが、これは「イチロー」をキープし続けたかったのではないかと。

なんてったって世界の「イチロー」ですからね。

人間的にも超越してるし、強い精神力を持っている。それを維持するのはもの凄く大変だったと思いますよ。そういった意味でいい形での引き際につながったのでは?

スーパースターの引退はさみしいものもありますけどね……。

えぇ。平成のスポーツ界で一番のスターだったと思います。平成で引退という引き際を選んだのも彼の素晴らしさではないでしょうか。
次回:プロレスラーは○○がうまい!? 実はそれこそ、カラダをいたわる秘訣だった!

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